賃貸物件のオーナーが頭を悩ます、設備の修理費用問題。
賃貸物件に備え付けている設備が故障した際に、入居者が勝手に修理業者を手配して、事後報告とともに高額な修理費用を請求してくるケースがあります。
この場合、修理費用をどこまでオーナーが支払うべきなのか、線引きが難しいですよね。
今回は、入居者が勝手に修理を依頼した場合に、どのような対応を取ればよいのかを考えます。
【入居者が勝手に修理業者を手配してはいけません!】
そもそも入居者がオーナーに黙って勝手に修理業者を手配してもよいのかという問題ですが、原則として入居者が直接業者を手配してはいけません。
実際、オーナーの馴染みの業者に依頼すれば、料金が通常よりも安くなるようなケースも多く、修理の依頼をする際はまずはオーナーに連絡する必要があります。
しかし、中には知ってか知らずか、入居者がなんの相談も無しに勝手に修理業者を手配して、修理後に費用を請求してくるケースもあります。
そういったトラブルを未然に防ぐためにも、修理依頼の際には必ず事前にオーナーに相談する必要があることなど、流れを徹底してもらうよう努めることが大切です。
また、独立行政法人都市再生機構(UR)の修理細目通知書には、入居者側の負担事項が下記のように細かく明記されています。
・障子紙、ふすま紙の張替え ・畳表の取替え、裏返し
・タオル掛けやペーパーホルダーなどの取り替え ・風呂場や洗面器のゴム栓や鎖などの取り替え
・排水口のゴム栓や目皿などの取り替え ・スイッチのひもの取り替え 修理細目通知書はWeb上でも公開されているため、これを参考に入居者にもあらかじめ理解を求めておくことをおすすめします。
【入居者に請求された修理費用の支払いを断ることはできる?】
基本的には、備え付けの設備の修理義務はオーナーにあります。
このようなケースの場合は、事前の相談なしに勝手に業者を手配するのは違反だという旨を説明し、納得してもらえれば全額入居者に負担してもらうことも可能です。
しかし実際は、入居者との信頼関係を壊したくないという理由から、
「また無断で業者に依頼するようなことがあれば費用は入居者負担」だということを伝えたうえで、費用を支払うオーナーも少なくないようです。
【まとめ】
入居者とのトラブルを回避するためにも、管理会社を交えて入居時に双方が納得いく形で取り決めを行い、その内容をきちんと書面で残しておくことをおすすめします。
入居者との関係を良好に保つためにも、事前の意思疎通はしっかりとしておくように心掛けましょう。