アスベストとは、天然に存在する鉱物繊維で、石綿ともよばれています。

以前は建築材料として使用されていましたが、

人体への健康被害が指摘され、現在は製造も使用も禁止されています。

今回は賃貸管理をされている方、検討されている方に向けて、アスベストとはなにか、

管理物件でアスベストが見つかった場合の対処法についてご紹介します。

賃貸管理をするときには知っておこう！アスベストとは？

アスベストとは、天然に産出する繊維状ケイ酸塩鉱物の総称のことで、「いしわた」や「せきめん」とも呼ばれています。

アスベストには種類があり、建築業界でとくに使用されていたのは、クリソタイル、アモサイト、クロシドライトです。

アスベストは耐火性能や耐久性、防音性があり、さらに安価であったことから、昭和30年頃から建材として重宝されていました。

建物の内装や外装、屋根などさまざま場所に使用され、吹き付けて施工されたものもあります。

しかし、アスベストが空気中に飛散することで肺がんの原因となることがわかり、

1975年には吹き付けとしての使用が禁止されました。

日本では段階的に規制が進み、2006年からは新たな製造、使用が禁止されています。

アスベストが賃貸物件に使用されているかどうかは、見た目では判断はできません。

賃貸管理をするときは建築物にアスベストが含有されているのか、

重要事項説明書をチェックして把握しておく必要があります。

また、重要事項説明書にアスベスト使用調査がおこなわれていない旨が書かれていれば、新たに現地調査が必要です。

賃貸管理をしている物件にアスベストが含まれている場合の対処法

賃貸管理をしている物件でアスベストによる健康被害を引き起こすと、損害賠償責任を負うことになります。

そのため、賃貸管理をしている物件にアスベストが含まれていることが判明したら、すぐに対処法を検討する必要があります。

まずもっとも注意すべきなのが吹き付け材として使用されているケースで、除去、封じ込め、囲い込みをおこないましょう。

この3つのなかで、もっとも推奨されているのはアスベストを完全に取り除く除去工事です。

成形板にアスベストが使用されている場合は、大気中に飛散するリスクが低いので、日常生活においては健康の被害は少ないとされています。

しかし、成形板を傷つける可能性がある解体工事や改修工事をおこなう場合は、飛散防止などの処置をおこないましょう。

まとめ

賃貸管理をするときは、所有する物件にアスベストが使用されているのかの把握が重要です。

とくに吹き付け剤で使用されている場合は、経年劣化による飛散の恐れもあるので、速やかに対処を検討しましょう。